誰でも参加できる農のある暮らしの空間は、共同作業やみんなでご飯を食べることなどを通じて、自然や仲間との一体充足を感じさせてくれます。すべてにおいて生かされている実感と感謝の気持ちを育んでくれます。そんな精神性を育む場が今必要ではないでしょうか?世間では時短・タイパ・コスパなど効率化を重視した簡素な暮らしになる傾向がありますが、農家コミュニティを拠点にぬくもり・やすらぎ・一体感のある「ていねいな暮らし」をみんなで手作りして、分かち合いませんか?
朝日が田んぼを金色に照らす頃、私は仲間たちと共に畑へ向かいます。土の香り、鳥のさえずり、心地よい風に包まれながら、一つひとつの作業に心を込める時間は、日々の忙しさを忘れさせてくれます。
ある日、収穫したばかりの野菜でみんなと一緒に作った昼食は格別でした。土のぬくもりを感じる甘いトマト、新鮮な香りが広がるバジル、自然の恵みをそのまま味わう喜び。そして笑い声が絶えない食卓は、まるで大家族のようなあたたかさがありました。
効率や便利さが重視される現代だからこそ、心と手を動かす「ていねいな暮らし」は大切です。この農家コミュニティは、自然と人との繋がりを感じ、一体感ややすらぎを分かち合う場です。あなたも一緒に、そんな温かい日常を育んでみませんか?
私たちは、食や農を通じて、より良い暮らしを目指しています。地域の人々が交流し、有効資源を大切に循環させることで、地域の課題を一緒に解決していきます。皆さんの好きなことや得意なこと、経験や能力を活かして、地域をもっと魅力的にする仲間を育てたいと考えています。
「かぐれ」という名前は、万葉集に登場する古い言葉で「寄り集まる」という意味です。同じ想いを持つ人たちが集まり、大地とのつながりを感じながら、知恵や情熱を分かち合う場所を作りたいと思っています。子どもから大人まで、みんなが幸せになれる場所を未来へ残していくことが私たちの願いです。
ただ消費するだけなら誰でもできます。今、必要なのは供給者です。食農体験や資源循環を通じて、農家と共に生産する楽しさを知ってもらい、さらにはその奥にある自然の摂理や生きる術(生き抜く力)を身に着けていく活動としても期待していただいています。
私たちの暮らしは、自然と調和しながら持続可能であることが求められています。菜園生活かぐれでは、自然の摂理を学び、環境にやさしい生活を実践するための活動を行っています。
家庭から出る生ゴミを再利用するコンポスト作りや、会員制コミュニティ菜園で自分たちの食べ物を育てる体験を通じて、資源の循環と自給自足の大切さを実感できます。また、農作業のお手伝いや体験・研修を通じて、自然と共生する知識と生き抜く力を身に着けることができます。
あなたも、未来のために持続可能な暮らしへの一歩を踏み出してみませんか?
私たちがお野菜を作っています!
家事と「命に近い仕事」の重要性
新型コロナウイルス感染症の影響で、多くの人が在宅勤務や外出自粛を経験し、家事や介護、看病といった「命に近い仕事」に向き合う時間が増えました。これらの仕事は、不便さだけでなく、他者とのつながりや思いやりを再認識する機会でもあります。「効率化」とは逆の、丁寧な暮らしへの気づきをもたらしました。
アフターコロナにおける信頼回復の鍵
コロナ禍後、他者への信頼をどう回復するかが重要な課題です。その鍵は、小さな相互扶助的な共同体での顔の見える関係性にあります。家事や介護は、他者の快適さを想像し思いやる行為であり、信頼の基盤を築く場でもあります。
「小さな相互扶助的な共同体」への広がり
アフターコロナでは、家庭(第一の場所)、職場(第二の場所)、地域の居場所(第三の場所)から相互扶助的な共同体が求められます。
これらの動きは、実は2000年頃から日本各地で生まれており、コロナ禍がその流れを加速させたと考えられます。
まとめ
新型コロナウイルス感染症は、日常の中にある「命に近い仕事」の大切さを再認識させ、他者とのつながりや信頼を築く新しい形を考えるきっかけとなりました。今後は、この気づきを生かし、より豊かな共同体づくりに向けて歩んでいくことが重要です。
人は、遊び、学ぶことで、生きる力を強くします。その力を育むことが「人づくり」の出発点だと考えます。遊び、学んだ基盤は本能に刻まれていきます。
今、SDGsをはじめ、全人類的な課題の解決が急務です。しかし未知なる課題には、模範解答はありません。求められるのは、「既成の概念に囚われず正解のない課題に挑戦する追求力」、「仲間に期待し応えることで活力を高め合う充足力」といった人本来の力です。その土台となるのが、原哺乳類の時代から進化の過程で受け継がれてきた「遊びと真似の本能」です。
何かを生み出そうとする時、人は集団をつくります。集団同士が協力します。その「関係づくり」で重要なのが、皆を結束させる情熱です。
近年、人びとの意識や市場経済のあり方が大きく変動しています。企業をはじめ生産集団は、変化に適応し、新たな価値を生み出すことが求められています。その最先端では、企業の枠を超えた共創関係が重要になります。開かれた関係を築こうとする時、集団はそのあり方から問い直されます。拠って立つ実現基盤は、時代や文化を超える情熱にあると考えます。
「地域づくり」に大切なのは、みんなで地域課題を共有し、解決していくことです。そのために、地域の多くの人が主体的に参加する「共同体」が運営され、みんなの「繋がる力」を育んでいくことが重要です。
明治以来、人びとは豊かさを求めて農村から都市を目指したことで、地域共同体は衰退しました。暮らしに不可欠な子育て・学び・福祉といった課題は、家庭や地域の手を離れていきました。その一方では、昨今の大災害やコロナ禍などの「生命を直撃する危機」が頻発する中で、皆と繋がり、安心して暮らしたいという意識が高まっています。そのような新しい集団づくりの潮流を加速させるための地域の拠点づくり・集団づくりが必要となって来ています。
持続可能性は、これからの「社会づくり」において重要なテーマです。自然や歴史に学びながら、身近な「循環する力」を国や地球レベルに広げていく必要があります。それは地域活性化の目指す「活力づくり」に通じ、その仕事は社会そのもののデザインに及びます。
私たちは経済発展によって物的豊かさを手にすることができました。一方、都市と農村・生産と消費が分断するなど、多くの課題を残しています。しかし、地方に目を向ければ、都市にはない美しい風景、生産者の力強さ、自立的で温かい相互扶助のコミュニティに出会うことができます。そこで、都市と農村を「循環」というテーマで再び繋ぎ、生産ネットワークを再構築する活動が今求められています。