赤ちゃんの表情が豊かになる「対面抱っこ」

子供にとって、>乳幼児期の母親との親和充足(笑顔の交信やスキンシップによる安心感)が人格形成上決定的に重要である。

 

また、親和充足体験が乏しいと、無表情になったりと表情による表現が乏しくなる、とも聞きます。最近、読んだ記事にそれを裏付けるようなものがありました。

 

日本ホリスティック医学協会・副会長・上野圭一さん(以下引用)

 

画期的な育児理論を紹介しましょう。著名な免疫学者である安保徹さん(新潟大学大学院医学部教授)と、子育て支援活動家の姫川裕里さん(キッズ・スタディオン理事長)の共同研究です。

 

姫川さんは、いつの頃からか「最近の赤ちゃんはおかしい」と考えるようになりました。表情が乏しい、動きが少ない、意欲が見られない、這い這いをしないという、「赤ちゃんらしくない赤ちゃん」が多いことに気づいたのです。

 

そんな赤ちゃんに「赤ちゃんらしく」なってもらうべく、姫川さんは試行錯誤をくり返し、ある解決法を発見しました。「赤ちゃんらしくない」赤ちゃんが、たちまち「赤ちゃんらしく」なっていくその方法とは「対面抱っこ」と「這い這い」という、じつに簡単なものでした。

 

「対面抱っこ」とは赤ちゃんと正面から向き合い、手で首と腰を軽く支えて抱っこする方法で、●首を大きく動かせる、●胸や肩が縮まらない、●背筋が伸びる、●伸びをしたくなるような自発的な反射が出る、などの利点があります。

 

「対面抱っこ」で育てた子どもは、「まっすぐな背筋と左右対称の体型」という、健康維持のための基本的な条件が整うようになり、結果として病気にかかりにくく、なっても回復が早く、分泌物(汗や膿色の鼻汁)が多くなり、自発的な行動がまし、機嫌がよくなるそうです。

 

対面抱っこをしていると、どの子も無理なく這い這い運動をするように変化していくというのも、姫川さんの発見です。そして這い這い運動をしはじめると、生き生きと意欲的になり、好奇心旺盛になって、反射力が発達し、怪我をしにくい体になることがわかりました。

 

姫川さんの発見に注目したのが、安保教授でした。背骨の両端(首と腰)を支える体面抱っこには、免疫学的に見ても正当な理由があると教授は考えました。

 

背骨には交感神経の中枢が、首と腰には副交感神経の中枢がある。背骨をまっすぐにし、首と腰に刺激を与える対面抱っこには自律神経系を健全に発達させ、白血球のバランスを整えて、免疫力を高める作用があるはずだ。そして骨髄造血を刺激する這い這い運動にもまた、免疫力を高める作用がある。これが教授の理論です。

 

対面抱っこで育てた子どもが「膿色の鼻汁」を分泌するのは、免疫力が高まって、体内の不要な有害物を排出している証拠だったのです。

 

そういえば、むかしの子どもたちはよく膿色の鼻汁を出していたものですが、小さなころから合成薬を服用している最近の子どもは透明な鼻汁しか分泌しなくなりました。

 

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「対面抱っこ」は、赤ちゃんと正面から向き合うスキンシップであり、親和充足度はとても高いだろうなと思いました。対面抱っこなどのスキンシップから得た親和充足が、子どもを意欲的にさせる這い這い運動を誘引する。そして生き生きとした表情になる。

人間は、ほんとうに共認動物なんだなと思いました。小児科医のほとんどが、対面抱っこや這い這いの意義に気づいていないということなのですが、子どもを育てる母親・父親もああしなさい、こうしなさいと書かれている育児書を読んで不安を大きくするよりも、「対面抱っこ」のようなスキンシップを充分する方がいいのではないかと思いました。