お肉食べても大丈夫?

一般的に牛、豚などの赤肉や加工肉は、発がん性のリスクがあるといった報告があります。最近では、健康維持のために肉などの動物性食品を控えている人も増えていますが、実際のところはどうなのでしょうか?

 食肉による健康被害について、多くの情報が出回っています。その一方、糖質制限やケトン食では、肉を推奨しているケースもあり、判断に困る人は少なくないと思います。食べ物の良し悪しは、栄養面や質で判断することが大切だと考えています。

 肉は本来、私たちの体に必要不可欠な「タンパク質」を多く含む食品です。さらに、ビタミンB群やビタミンA、鉄や亜鉛などのミネラルも含んでおり、栄養価で見ると肉は良質な高タンパク食品といえます。タンパク質は、肉以外にも魚や卵、大豆などから摂取できますが、不足している人は意外と多いようです。いま患者が増えている不妊症やアトピーなども、細胞の生成や皮膚の再生に必要なタンパク質の不足が原因の一つだともいわれています。牛や豚などの赤肉をはじめタンパク質を多く含む食品は、栄養面から考えれば食べた方がいいといえるでしょう。

 ただ肉に問題があるとすれば、一つ目は「品質」すなわち牛や豚の育て方です。私たちが普段口にしている肉は、穀類を食べて育った牛や豚で、脂肪分の多い肉質が特徴です。餌には抗生物質が含まれていたり、ホルモン剤やワクチンを投与されていることがほとんどで、それらは脂肪細胞(脂身)に蓄積されるといわれています。そのような肉を食べていれば、私たちの体に何らかの健康被害が起こる可能性は否めません。

 肉の問題点の二つ目は、加工食品です。ハムやソーセージなどの加工肉は、もともとは長期保存の目的で作られていました。しかし、いま市販で売られているものは、多くの添加物を使用した危険な食品と考えられます。肉の色や食感をよくしたり、菌の繁殖を抑える亜硝酸塩は、強い発がん性があることも報告されています。おそらく、肉の発がん性についてのほとんどは、このような添加物が原因であるとも考えられます。

 にくといっても、その種類や加工の仕方などで、栄養面や健康への影響は変わってくるので、一概にどれでもOKとは言えません。最近では、栄養バランスに優れたグラスフェッドビーフや、抗生物質やホルモン剤を使用していない肉などもスーパーなどで見かけるようになりました。牛や豚などの赤肉は、脂身の少ないところを選んだり、添加物の多い加工肉は避けるようにするなど、質のよいものを選ぶことが大切です。