腸内細菌の話になると善玉菌・悪玉菌と、なぜか二つに分類したがる。では、悪玉菌は、本当に悪なのか?
除菌・抗菌の清潔志向が進んで悪玉菌がいなくなると、逆に体内の免疫システムが構築されないまま成長してしまう。
また、悪玉菌・善玉菌に代表される菌は、実際には極々一部の腸内細菌であり、人間の腸の中には善玉菌・悪玉菌などと分類されている菌以外に、その10倍以上培養できない土壌菌がいることが、最近の研究で分かってきているそうです。
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悪玉菌にも役割があるhttp://plaza.rakuten.co.jp/korrida/diary/201306270000/ より転載します。
(前略)
体の中でセロトニンの95%を作っているのは腸の善玉菌なので、ストレスを解消するためには、本当は脳ではなく「腸」を喜ばせてあげないといけません。
腸を喜ばせるためには、食物繊維の多いものや、酵素の多いもの、発酵食品やオリゴ糖の多い食べ物を食べることです。
それなのに甘いもの、油ものに走るから、腸では悪玉菌が増えてしまい、ますますイライラして、更に甘いものを食べてしまうという悪循環が生じるのです。
でも悪玉菌を全部なくしてしまえばいいのかと言うと、実はそういうことではありません。
悪玉菌とは要するに「ちょい悪菌」です。
善玉菌がより良く活動するためにも「ちょい悪菌」は適度にいたほうがいいし、赤痢菌、サルモネラ菌、ボツリヌス菌、病原性大腸菌、緑膿菌、コレラ菌など、本当の「大悪玉菌」が来た時、これを攻撃してくれるのが「ちょい悪菌」なのです。
生まれたばかりでアトピーになっている赤ちゃんの便を調べたら、半分近くは大腸菌(悪玉菌)が一匹もいなかったというデータもあります。
動物たちは、腸内細菌を増やすために、生まれたらすぐ本能的に土をなめるといいます。
人間の赤ちゃんも本能的にいろいろなものを舐めまくりますよね。
それにより無菌状態だった腸に悪玉菌が取りこまれ、お母さんのおっぱいにはビフィズス菌や乳酸菌がいるから善玉菌も増え、腸内フローラのバランスが作られて免疫が鍛えられていくのです。
ところが今は赤ちゃんは無菌室で管理され、清潔至上主義であらゆるものが殺菌されます。
家に帰っても、薬剤は家庭用にも蔓延し、菌は除菌され、抗菌素材が大流行。
大人も菌たちと付き合わないと、だんだんと免疫が落ちていきます。
人間の腸の中にはよく知られている乳酸菌や大腸菌などのいわゆる善玉菌悪玉菌などと分類されている菌以外に、その10倍以上培養できない別の菌がいることが、最近の研究で分かってきています。
その大部分が実は土壌菌と呼ばれる土の菌だったそうです。土壌菌がどういう役割をしているかはまだ分かっていませんが、興味深いですよね。
田んぼや畑の土に手や足を触れることにより、こうしたさまざまな菌と接触することになり、それにより人の免疫系はかなり鍛えられると言います。
「一生のうちに、田んぼのぬかるみに足を入れるか入れないかで、その人の人生すら変わってくる」
うきはの自然農農家、江藤さんの言葉が思い出されます。
田んぼでなくてもいいと思いますが、土や緑に触れる時間を、大人も子供ももっと増やしたほうがいいですね!
善玉菌だけを集めてもうまい酒は出来ず、おいしいパンも出来ません。
働きアリの中で、3割くらいサボるアリがいて、そのアリを取り除くと、それまで働きアリだった中のやはり3割がサボるようになるという話があります。
人間社会でも出来が悪いと見える人をリストラした会社組織で、やはり同じような現象が起こると言います。
悪玉菌含め多種多様な菌がいて、更に善玉菌の力が強いから、味わい深い発酵食品や素晴らしいグループが出来るのだと思います。
(以上)
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