ガンは「細胞の先祖返り」~ガンになったら仙人になりましょう!

「ガン」の原因を、生物の進化史とその適応戦略から追求した説を紹介します。新潟大教授の安保徹氏の「ガンは細胞の先祖返り」というものです。

 

この説は、ドイツの生理学者オットーワールブルグが発見した「がん細胞はブドウ糖から最大の乳酸を作る」「がん細胞は酸素がない状態でもエネルギー産生可能」(さらに「がん細胞は酸素が十分に存在する状態でも、酸素を使わない方法(嫌気性解糖系)でエネルギーを産生している」)いわゆる「細胞の胎児返り説」に塗り重ねられた説と思われます。

 

生命の進化史やその摂理に適合した内容で、納得度が高いです。

 

『笹塚薬局』 http://www.sasazuka.co.jp/06_solution/post_38.html さんが紹介してくれています。

===以下、抜粋して引用===

 

■われわれの祖先は酸素のない暗く寒い場所で生まれた

20億年前、地球上は暗く、寒く、酸素がほとんどない強酸性下で栄養に極めて乏しい環境だったが、この頃生まれた単細胞が我々の細胞の先祖=マクロファージ。

我々の先祖細胞は酸素がないために、酸化でなく発酵という方法で乏しい糖分を分解・利用して生きていた。ところが発酵はエネルギー効率が悪いため「大食い」によって大量に増殖し、乏しい栄養で死んでゆく細胞に打ち勝つだけ仲間を増やすことだけで子孫を残し続けた。

 

やがて地球上に酸素を生み出す微生物が爆発的に増殖し地球上には酸素が満ち溢れた。

→この酸素を利用して糖分を酸化して約二十倍ものエネルギーを生み出す(TCA回路)微生物が増殖。

→われわれの先祖細胞は酸素に弱く、酸素のあるところではどんどん酸化・死滅していった。

 

そこで我々の先祖細胞は酸素の好きな細胞を取り込み、共存して酸素に負けない細胞へと進化した。

このため寒さが好きで酸素の嫌いな細胞(細胞質)の中に、温かさが好きで酸素が大好きな細胞(ミトコンドリア)が共存するアンバランスな細胞が出来上がり、これが現在のわれわれの細胞。

 

代謝能力 温度 代謝  エネルギー効率 増殖 酸素

細胞質     瞬発性  寒性 発酵(大食) 低     速   嫌い

ミトコンドリア 持久性  温性 呼吸(少食) 高     遅   好き

 

■慢性的な酸欠と酸性の環境に適応したのが「ガン」

ストレスや夜更かしなどによる睡眠不足、暴飲暴食などで常に交感神経の緊張状態になると、最初は消耗に抵抗するために血糖値や中性脂肪・コレステロールなどが上がる。

かつては戦いや農作業等の肉体労働で燃焼していたが、近年は室内生活中心でエアコン浸かりっ放しの「冷え」が常習化して、これらを燃焼できなくなった。

→これが血流の悪い部位に溜まって血栓の元(いわゆるメタボ)。

 

この運動不足で不摂生な状態が永く続くと血流不全が常習化し、付近の臓器や器官は栄養欠乏と酸素欠乏の上、酸性体質となる。

→するとその部位の臓器や器官の細胞は、「いつも酸素が足りなくてしかも酸性ならば昔にもどったほうが便利だ!」

=酸欠と酸性の環境に対応して細胞が「先祖返り」を起こし→「発ガン」。

 

※ちなみにミトコンドリアにとっては、酸素の嫌いな母細胞(細胞質)が頻繁に分裂しては困るので分裂阻止遺伝子によって母細胞が分裂するのをストップしてコントロールしている。これが最近発見された「発ガン抑制遺伝子」の本態で、「発ガン抑制遺伝子」とはミトコンドリアが有する「細胞分裂抑制遺伝子」とイコール。このコントロールが効かなくなって無限な細胞分裂に入った状態が「発ガン」。

 

■「ガン」は回りから栄養を奪い取る大食漢

一度「先祖返り」した細胞は代謝が旺盛な大食漢で、周囲に新生血管を張り巡らし、周囲の栄養をすべて奪いつくして急速に増殖してゆく。ガンのこの様な基本的性質は、太古のわれわれの細胞の性質そのもの。

 

■生命の始めも終わりも「マクロファージ」

バランスのとれた安定した生命現象の始まりは「マクロファージ」だが、最後に生命を終えるのも「マクロファージ」の役目。

体に慢性的な負荷がかかり続け「発ガン」すると、緊急事態だと認識した「マクロファージ」が活性化して様々な免疫システムを稼働させるが、それでも対応が追い付かなくなると、これら全てを食いつくして生命を終わらせようとする。(ガンの末期)

 

■「低体温・低酸素」ではガンが喜んで増殖する!

製薬会社等の研究所では実験に使用するために常にガン細胞をペットとして飼っているが、ガン細胞の培養は低温・低酸素気味で培養するのが一般的。

種類にもよるがガン細胞は概して人体より低温・低酸素を好むので、35度前後で酸素を少なくコントロールした環境を目安に培養される。

つまり、低体温・低酸素状態の人は、ガンを培養しやすい温度で日々生活していることになる。

===引用、以上===

 

上記内容より、もう少し専門的なものが以下。読んでみてください。

<10>未来型医学と新しい可能性 『ガン細胞の増殖の秘密』安保徹 http://ameblo.jp/m-6458/entry-11529442280.html